今回は伊庭正康さんの「できるリーダーはこれしかやらない」を紹介していきます。私も最近会社でリーダー職を任せられたのですが、プレーヤー時代に漠然と考えていたことが言語化されており、納得感が大きい本でした。
感想、解説というより私自信が学びになったことを中心に紹介していきます。
どんな本?
作者について
1991年リクルートグループ入社。営業としては致命的となる人見知りを4万件を超える訪問活動を通じ克服。プレイヤー部門とマネージャー部門の両部門で年間全国トップ表彰4回を受賞、累計表彰回数は40回以上。その後、営業部長、(株)フロムエーキャリアの代表取締役を歴任。
2011年、(株)らしさラボを設立。営業リーダー、営業マンのパフォーマンスを飛躍的に向上させるオリジナルの手法(研修+コーチング)がリーディングカンパニーの目に留まり、年間200回を超えるの営業研修、営業リーダー研修、コーチング、講演を行っている。リピート率は91%。
また、ストレスコーピングコーチとして、ビジネスパーソンのメンタルタフネス強化の支援も行っている。近著には、『面倒な“やりとり”がシンプルになる仕事のコツ48(かんき出版)』『数字を上げる人のセールストーク・営業のキホン(すばる舎)』『強いチームをつくる!リーダーの心得(明日香出版社)』など多数。その活動は、日本経済新聞、日経ビジネス、など多数のメディアでも紹介される。
Amazon著者紹介より。ご自身の営業やリーダーとしての経験をもとに、サラリーマンのスキルアップ情報を発信されている方ですね。
この本について
この本ではリーダーは何をすべきか、何を考えるか?という前半と、後輩やチームを引っ張る方法を解説した後半に分かれた内容になっています。
どちらも具体的にどうすべきか?の例を多く示されているのが素晴らしい点です。これからリーダーになる人、今リーダーとして行き詰っている人に読んでもらいたい一冊になっております。
では、実際に私が学びになった考え方や方法を紹介していきます。
「任せる」と「放任」

任せると放任の違いとは
部下にどのように仕事を任せていくかは、リーダーにとって永遠の課題ですよね。しかし、「仕事を任せる」ことと「「放任」は全く違うことが本書では解説されています。
もちろん放任し過ぎは良くない、ということになるのですが、その違いは以下の質問に答えていただくことで分かります。
質問①部下がやっている作業を「具体的」に答えられるか
こちらの質問では、現在部下が行っている仕事が何を目的に、どんな作業を行っているのかを「具体的に」答えらえれるかが問われています。曖昧にしか答えられない場合、もちろんNGということになります。
これをすることで、「ちゃんと見ている」ということを相手に示すことができます。また個人的には、誰がどこで何をしているか、を知らないのに「管理職」と言えるのか、疑問に感じてしまいます。
部下の活動は、必ず「具体的に」把握するようにしましょう。
質問②部下が感じる「不安」「不便」「不満」を「事実」で答えられるか
2つ目の質問では、部下が抱えている問題を「具体的に」把握できているのかが問われています。これが憶測になってしまうと、どのような仕事をその部下に振るべきなのか、判断の精度が下がることになります。
つまり、「あなたの考えや不安は分かった上で、この仕事を任せるよ」という姿勢を見せるのが重要と言えるでしょう。

正しく仕事を任せる
上記を踏まえ、正しく仕事を任せる方法を見ていきましょう。
それは、その部下の現状を知る
↓
「こう考えているのではないか」と仮説を立てる
↓
そこに意見・提案をもらいつつ、任せる仕事を決めていく。
この流れで振る仕事を決めていくことが望ましいとされています。私なりに簡単に解釈すると「相手をよく話し、よく知ってから、振る仕事を決める」ということだと思います。これは上司と部下に限らず、仕事をする上の基本ですよね。
また、任せた仕事に対して、フィードバックを行うことも重要です。正しい方向に仕事が進んでいるのか、もっといい方法がないかをフィードバックすることで、部下の迷いを減らすことができます。
プラスかマイナスか、内容は関係なく、どんどんフィードバックしましょう。
「リーダー」が考えること

ここからは、リーダーが考えるべきことを解説していきます。私も今絶賛感じていることですが、ただプレーヤーとして成果を出せばいい立場から、発想の転換をしないといけなくなりますよね。
では、どう考えればいいのか?を見ていきましょう。
「方針」はリーダーが決め、「方法」はメンバーが考える
これは私がプレーヤーの時から感じていたことで、言語化してくれてありがたいです。リーダーは「どんなポジションを目指す」とか「この製品を伸ばす」といったように、ある程度幅を持った「方針」を設定することが大事だと考えています。
つまり、実際に何をするか、「方法」は部下に決めさせる。もちろん間違った方向に向かっていたら修正したり、何をすればいいかわからない部下に道を示すことは必要です。
しかし方法までリーダーが決めてしまうと、「私の担当先では…」とか個別事例での言い訳をし始めたり、「言われたことやればいい」と指示待ちになってしまったりします。つまり自分がする活動に、責任がなくなる。裁量=責任を、ある程度持たせてあげましょう。
リーダーモードでは「私心」を出さない
また、これも重要なことだと思います。リーダーであれば、自分がしたい活動よりも、チームにとって必要かどうかで判断しなくてはなりません。
例えば、気に入らない部下が会社にとって重要な得意先と商談する、というタイミング。この時、リーダーであれば重要な得意先であることが優先され、同席したり打ち合わせの時間を持ったりするでしょう。
しかし「私心」を優先してしまうと、気に入らない部下だから手を貸さない、何なら失敗を願う、といった最悪の選択をしてしまうかもしれません。リーダーとして会社に貢献できるのは、言うまでもなく後者ですよね。
文章で読むと「そんなアホな」と思うかもしれませんが、優先順位のつけ間違いは意外と多いものです。注意していきましょう。
またこの時、「アイゼンハワーマトリックス」というフレームワークを活用して、優先すべき業務を考えることがおすすめです。

これ使うことで緊急性と重要性の2軸から、タスクの優先順位を決める作業ができます。左上に近いほど優先順位が高い、ということですね。私もこの考え方を使うようになってから、優先順位付けに迷わなくなったと感じています。
時間がない!→なら「任せる」ことが必要
上の優先順位から繋がる話ですが、、、時間がない、と感じているならば、尚更「任せる」ことが重要になってきます。
部下に仕事を任せられない典型例が、「結局自分でやった方が早い」というやつ。しかしここは冷静に「自分がやるべきことか?」を考える必要があります。それはリーダーでなければできない仕事なのか、自分でないとできないのか、そこまで優先度が高い仕事なのか。
そうではないなら、部下の育成も考えて、断固たる決意で部下に任せるのがいいでしょう。部下が成長すれば、巡り巡って自分を楽にしてくれるかもしれません。
また部下に仕事を任せるコツとして、「自分と違って当然」をスタンダートにする、というのがおすすめされています。部下は自分ではないので、「どう理解したか」「何がネックか」等、ヒアリングとフィードバックをしていく必要があります。その部下を理解するよう努め、どう伝えていけば成長するのか、それを考えるのが上司の役目と言えるのではないでしょうか。
仕事のさせ方

ここまででリーダーとしての考え方が分かったので、後半ではいかに部下に仕事をしてもらうか?を考えていきます。
Will・Can・Mustの動機付け
まず、人のモチベーションはどのようなタイミングで高まるのでしょうか?
本書では「Will・Can・Must」の3点が全て揃うとき、モチベーションが最も高まるとされています。つまり、やりたいこと・できること・やるべきことが揃っている、ということですね。
やりたいこと、できることは人によって異なるので、やるべきことをその部下に寄せてあげるのがリーダーの役目になると思います。どちらにしてもその部下が何をやりたいのか、何ができるのかは見極めてあげる必要がありますね。
流儀を語る
また、流儀を語ることもモチベーション向上に良い、と述べられています。流儀と言うと難しいので、リーダー自身がその仕事のどこに楽しさを感じているのか、語ってあげるのがいいのではないかと思います。
個人的な考えですが、仕事はいかに楽しみを見つけるか、だと思っています。楽しみを与えてもらえるものではありません。単純作業もスピードを測る等、エンタメ化することで、楽しくすることが可能です。
そして見つけた楽しみ方を、積極的に共有してあげましょう。
細かく指示しない
次に、必要以上に細かな指示をしないことも重要です。いわゆる「マイクロマネジメント」をしない、ということですね。
これは部下に考えさせる、主体性を発揮させることが重要だからです。考えれば分かることをいちいち指示してしまうと、指示待ちの部下が出来上がってしまったり、うざったく思われ信頼を得られない可能性もあります。
ただ、マイクロマネジメントは一切してはいけない、という訳ではありません。チームができてすぐのタイミングや、新人等、まだ相手のことをよくわかっていない段階では、考えのすり合わせをしていく必要があります。こういったタイミングでは、マイクロマネジメントは有効になります。慣れていくごとに少しづつ、任せる幅を大きくしていきましょう。
「型化」つまり、仕組み化する
最後のポイントは「仕組み化」です。仕事の進め方やチームのルール等を明文化、マニュアル化して統一することです。
マニュアル化、と聞くと機械のように働かされるイメージがあり敬遠されがちですが、実は悪ではありません。「プロセス」や「行動」を見える化することによって、よく躓くポイントをスルっと乗り越えることができますし、どこで止まっているのかもわかりやすくなります。
うまく仕組み化できれば、頑張らなくても仕事が回るようになるでしょう。
チームの強化法

ここまで、リーダー自身の考え方、部下との1on1での接し方を解説してきました。ここからは、いいチームの作り方について解説していきます。
タックマンモデル(チームの発達段階)
タックマンモデルとは、強いチームが発達していく流れを段階に分けて解説したモデルです。私としてもこのような流れでチームが強くなっていく、というのは納得感が強かったので解説していきます。
- 形成期 チームができて間もない時期は、多くの場合、「様子見」な雰囲気になることでしょう。しかし、ここではあえてコミュニケーションを図っていきましょう。
- 混乱期 ここでは互いを知るための議論をするため、衝突することもあるタイミングです。対話を増やし、お互いがどう考えているのか、何を期待している(もしくはされている)のかをすり合わせていく時間になります。
- 統一期 議論が尽くされてくると、チームに納得感が出て足並みがそろってきます。チームが上向いていくことを実感できるタイミングでしょう。
- 機能期 この時期になると、チームは大いに成果を挙げていくでしょう。ここまできたら、「祝福」することも大事です。
このように、最初は衝突もありつつお互いを理解し、だんだんと足並みをそろえていくのが強いチームを形成する流れです。逆に言えば、ろくにコミュニケーションが取れていないチームは強くなるわけがない、と考えることもできますね。
決められないリーダー
本書では決められないリーダーと決められるリーダーの違いについても解説されています。
決められるリーダーになるために必要なこととして、先にリスクを想定し、対策することが重要とされています。日々すごいスピードで状況は変化していくので、先送りはダメ、絶対です。
また、決断をする時には判断軸が大事になってきます。本書では「顧客・公平・リスク・目的・効果・回復(ダメージが小さいか)・長期的」等の軸を基に検討することで、適切な判断を下せるとされています。
また無駄を診断することも重要とされています。日々に忙殺される組織は少なからず無駄な業務に時間を費やしていることがあるでしょう。本書では「客の満足度・従業員の満足度・リスクマネジメント・業績」等、これらに影響しなければ省いてもOKとされています。
適切な決断や業務の効率化のために、これらの軸を基に決断していきましょう。
最後に
今回は伊庭正康さんの「できるリーダーはこれしかやらない」を解説してきました。できるリーダーの考え方やチームの引っ張り方等、勉強になる部分の多い良書だと思います。
本書でも述べられていることですが、時には「弱さ」「人間臭さ」を見せることも重要です。失敗やサボりを開示することで、メンバーにも親近感を与えられます。完璧なリーダーよりも、少し人間臭いタイプの方が働きやすいと思いますので、私もここは忘れないようにしたいと思います。
今回の記事は以上となります。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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